TARP developer

はじめに

WordPressで固定ページを作成する際、多くの場合は「page-スラッグ名.php」のような専用テンプレートを用意します。
一部のテーマではブロックエディタだけでレイアウトできますが、デザインを忠実に再現したいケースでは、テンプレート内に直接HTMLを書き、CSSで細かく装飾した方が自由度が高くなります。

しかし、固定ページの編集画面からはテンプレートを編集できず、修正したいだけなのに毎回FTPやエディタを開く必要があり、運用面での負担は大きくなりがちです。

「なぜ固定ページ編集画面で、ページに紐づくテンプレートファイルを編集できないのか？」
その違和感から、今回のプラグイン開発が始まりました。

固定ページの寂しさ

オリジナルテーマで固定ページを作成しテンプレートを割り当ててしまうと、管理画面の固定ページ編集画面にはほとんどアクセスしなくなります。 編集できるのは、タイトル・メタ設定・ショートコード・一部カスタムフィールド程度で、肝心のテンプレートには触れません。

WordPressには「テーマファイルエディター」がありますが、

・扱いづらい
・間違えると即サイトが落ちる
・運用者には開放できない

などの理由から実用的ではありません。

長期運用を考えると、固定ページ側でテンプレートに直接触れる仕組みがどうしても必要だと感じていました。

固定ページに紐づくテンプレートファイルをその場で編集

固定ページにはスラッグがあります。
例えば「アバウト」ページなら…

・スラッグ：about
・テンプレート：page-about.php

WordPressはアクセスされたURL（例: /about/）に応じて自動的に該当テンプレートを読み込みます。

そこで今回、固定ページ編集画面に入った瞬間、

対応する「page-スラッグ名.php」テンプレートを自動で読み込み、直接編集できる仕組み

を持った専用プラグインを開発しました。

その名も 『TARP Page Template Studio』。

このプラグインにより、テキスト修正・ブロック追加・調整用CSSの記述などが、すべて固定ページ編集画面だけで完結します。

実装した機能等

• 「page-スラッグ名.php」が存在する場合、自動で読み込み・編集可能
• 新規作成時は、スラッグに合わせたテンプレートと調整用CSSを自動生成
• 既存テンプレートがある場合でもCSSファイルのみ自動生成
• 生成ファイルは専用ディレクトリで管理され、テーマ本体に影響を与えない
• CodeMirrorベースのエディタで快適にコーディング

おわりに

生成AIの普及により、WordPressでのテーマ制作も大きく変わりつつあります。
固定ページから直接テンプレートを編集できる構造はAIと非常に相性がよく、“ページ単位でテンプレートを育てていく”新しいサイト制作フローを可能にします。

※ このプラグイン『TARP Page Template Studio』は、
TARP Projects 内部専用の非公開プラグインです。

一般公開の予定はありませんが、今後も運用効率化のためにアップデートを続けていきます。